どうも。世界のうりだです。
毎月分配金が発生する投信、しかも「予想分配金提示型」に興味のある方が、非常に多いようです。
つみたてNISAで除外されているにも関わらず、いったいなぜなのか、SBI証券のサイトを見ながら考えてみました。
SBI証券では、部門ごとのランキングがあるんですね!?(゜Д゜) 私も、口座開設当初には参考にした気がします。
「分配金利回り」部門の1位は、この「予想分配金提示型」でした。
利回りがいいことは、果たして本当に投信の役割に合致しているのでしょうか。
「予想分配金提示型」は【分配金利回り】ランキングの救世主?!
資産形成するにあたって、何を指針に投信を選べばいいのだろうと、悩まれる方は多いはずです。
「とにかく、何か一点でも秀でていればいいだろう!」
そんな方に、ランキングは手っ取り早い指針になります。
しかも、「分配金利回り」のランキングなんて、耳障りのいいことこの上ありませんヽ(´▽`)/
従来の「毎月分配型」のデメリット
第3位の「ニッセイグローバル高配当株式プラス(毎月決算型)」の基準価額(表右下)に注目してください。
設定当初は、基準価額は10,000円だったわけです。それが今や「2,163円」と、約5分の1にまでしぼんでしまいました(´Д`)
コロナショックを押し目に、金融商品の価格はどれも上がっている中、当該投信は下がりっぱなしです。ベアに張った、何かのレバレッジ投信のような軌跡ですね(;´▽`)
「でも、毎月の分配金で、ロスは補えていますよ!」
投信で発生した分配金は、再投資することが可能です。
上図の赤い線が、再投資した結果です。10年間の運用で、資産を2.5倍にすることができました。
ただ注目してほしいのは、「分配金を全て再投資して、ようやく出せるパフォーマンス」ということです。せっかく”湧いてきた”(分配金には、そんなニュアンスがあるでしょう)お金なのに、再投資以外1円も使うことは許されません。
「だったら、わざわざ分配金でもらう必要、なくね?(´・ω・`)」
「予想分配金提示型」で基準価額の下落をヘッジ!?
元の基準価額がしぼんでしまっては、何のために分配金を出しているのかわかりません。
そこで登場したのが、「予想分配金提示型」の投信です。
既定の基準価額に合わせて分配金をコントロールし、基準価額の下落を抑えようという狙いです。
再投資しないのが青い線ですが、設定来の基準価額を上回っているのがわかります。
予想分配金提示型は、「分配金利回り」のランキングをより活用できる投信と言えます。
意味のない「単年の利回り」
「利回りがすべて!」と、なんでも飛びついていいのかと言えば、そうではありません。
ここに提示されているのは「37~40%超」と、夢のような利回りです!(゜∀゜)
しかし、単年の利回りを追求するのは、投信ではご法度です。
投信を使った資産形成は、あくまで複利運用です。
分配金を受領することで、あなたは利益を確定させています。結果、支払われた分配金には常に、20.315%の税金がかかっているのです。
再投資したとしても、毎月税金分を取られてしまいます。過度な頻度で分配金が発生することは、受益者個人よりも国や自治体が潤っていることがわかります。
つみたてNISAでは買えない
今回提示した「分配金利回り」ベスト3の投信ですが、いずれもつみたてNISAでは買えません(゜Д゜)
つみたてNISAは、毎月分配型を排除しています。それは言うまでもなく、つみたてNISAの規約に抵触しているからです。
その規約ですが、毎月分配型に共通しているのは、「償還日が設定されていること」です。償還日が訪れると、その投信は問答無用に運用が終了し、現金化されます。
つみたてNISAでは、年内の売却された金額を使ったとみなされ、上限(40万円)を上回ったな金額を新たに買い付けることはできません。
つみたてNISAは、20年間運用できる前提がないと、対象商品にノミネートされません。
ベスト3投信の償還日をまとめてみました。
- 三井住友DS-グローバルAIファンド(為替ヘッジあり予想分配金提示型):2026/09/25
- 三井住友DS-グローバルAIファンド(予想分配金提示型):2026/09/25
- ニッセイ-ニッセイグローバル高配当株式プラス(毎月決算型):2025/10/15
償還まで、もうカウントダウンです。これから資産形成を始める方には、まったく用事の無い投信だとわかります。
投信で儲けたいのは業者も同じである。
当然ながら、誰もがお金が欲しいのです。「インデックス投信だけでは、我々業者は儲からない…orz」というのが、販売会社と運用会社の本心です。
それは、顧客の利益優先「フィデューシャリー・デューティ」を、お題目に唱えている、あの独立系証券会社だって、同じなんです。(あすこは分配金を出さないアクティブファンドしか売ってないので、今回の問題には関与しませんが。)
ボランティアではありません。自社が取る手数料を、いかに正当化するかの勝負です。
そして、彼らの片棒を担ぐのは、【販売会社】たる証券会社なのです。SBI証券とて、例外ではありません。
証券会社はどんなに”あこぎな”商品でも、いかに見栄えさせて購買意欲をおあることを思案しています。
意欲をあおる手法として、ランキングがもっとも効率がいいのは、言うまでもありません。
利回りのトリック
お気づきの方も多いでしょうが、今回取り上げた利回りにはトリックがあります。
直近の1万口の基準価額と、12ヶ月分の分配金合計額の比率ということです。
つまり、基準価額が下がると、利回りが上がってしまうことに!?w(゜o゜)w
でも、いいんです。だましているわけではなく、これら投信の”受益者”が気持ちよくなれるのですから。
だいたいお金が増えてれば、あとは”お小遣い的”なエンタメ要素があったほうがいい、というところでしょう。
そんな人たちから、「手数料取りすぎ!」とか、「税金もっと抑えろよ!」なんて不満が出るはずはありません。
まとめ
日本人は、どこまで行っても現金が好きなんですね~(;´▽`)
「ちょっと返してくれる」ことに、温かみを感じるなんて思われるのでしょうか。
個別株に比べて、ただでさえ価格変動を抑えられる投信が、毎月分配金を出すのは無理があることを理解しましょう。
今回は、
- 「予想分配金提示型」は【分配金利回り】ランキングの救世主?!→基準価額を維持し、従来の毎月分配型と差をつける狙い
- 投信で儲けたいのは、我々受益者だけでなく、業者側も一緒!
について、書いてみました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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